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青い炎と人形の物語 第5章 マリーの覚悟 その1 [球体関節人形製作]

 こんばんは、てぃねこです。

 フランツが帰宅して娘のマリーと会うのだが...?

 それでは、どうぞお読みください。


第5章 マリーの覚悟 その1

 「パパ!お帰りなさい!待っていたの!」

 開かれた扉の先に立っていた少女が、いきなりフランツに
抱きついてきた。

物語のマリーとフランツCsmall.jpg

 「!!、、おっと、ただいま!マリー」
 二人は抱き合い、お互いの頬にキスをした。

 「、、、どうしたんだい?マリー、何かあったのかい?」
 いつにも増して、しがみついてくる娘にフランツは、ちょっと不安を感じた。

 「パパ!よく聞いて!」マリーは鋭い猫のような目で、フランツの目を見据えて、記憶の箱を解き放つ鍵の言葉を口にした。

 「夜の夢の中のスージーはママよ!、、、ルイーゼママよ!」

 (!!あっ!!)

 フランツの深層意識が解き放たれ、夜に何十回も見ていた人形スージーとの会話が頭の中に溢れ出した!...そして、スージーの中にルイーゼがいることを!...全て思い出した。

 「...そうだった。ルイーゼと何回も相談していたんだ、、、夢の中で、、、だから、人形のスージーを大事にしていたんだ」
 フランツは、そう言うと同時に、心がズキンと痛んだ。

 「マリー!...」彼は意を決して言った。
 「マリーとルイーゼに言わなければならないことが、、、あるんだ...」

 「パパ!それは言わないで!」マリーは強い意思と共に言った。
 「わたしも、毎晩、スージー、いえ、ママから魔法の教えを習うことと、それから他のことも聞いたことを全部思い出したの!だから今は言わなくていいわ」

 「マリー?...え?!、、、じゃあ、魔法の力に目覚めたということなのか?!」フランツは驚いた。

 「そうよ!パパ!話すことがいっぱいあるから、こっちに来て!」マリーはフランツの手を引いて、居間へと導いた。

 二人掛けのベージュのソファーに腰を下ろすと、マリーはフランツに昨日起きたことを全て話した。
......
 ○伯母のリーゼに一旦は拐《さら》われたこと。
 狼人のエルケとダークのこと。
 ○ママのルイーゼが、今はリーゼとともに1つの体の中に居ること。別れたときはルイーゼの意識が表側に出ていたが、今はリーゼが表側かもしれないこと。
 ○〈背中を押す魔法〉は、半分はマリーがかけたので、〈釣り上げの魔法〉は、やはり半分はマリーがかけないとダメだということ。
 ○今、マリーが使える魔法と、猫のサミー、犬のベルガーとの会話のこと...などなど。

 マリーの話ぶりは子供の口調ではあるが、10日前に別れたときよりは、はるかに聡明になっており、ある意味、思慮深い大人のようでもあった。

 (10才とは思えないな...これも、マリーの魔法の力を覚醒させたルイーゼの努力があったからだな...)フランツはそう思うと同時に自らの覚悟を決めた。

 「よし!マリー!パパは5日後に、また2週間ほど遠くに出張しなければならないけど、そのまえにリーゼ義姉《ねえ》さんに会いに行って話をつけよう!」

 「...パパには、何かいい解決方法がある?」マリーが優しくも鋭く尋ねた。

 「これは、まだ、できるかどうかわからないが、、、」フランツはやや言い淀んだが続けた。
 「前に2度会ったことがあるラウラという魔法使いに、マリーの魔法の先生になってもらうようにリーゼ義姉さんと交渉してみよう!」

 「ラウラさん...小さい頃に会ったことがある。ママと、リーゼ伯母さんを救う魔法を習得することを交渉の切り札にするのね」
 マリーのその発言の聡明さに、フランツはびっくりしたが、同時に、彼女がすぐに了解してくれたこともとても嬉しかった。

 「さて、夕方だから、そろそろ、アガーテさんが来るころ...」フランツがそう言いかけると、玄関の重い木の扉を3回打つドアノッカーの音が聞こえた。

 「あ!アガーテさんだわ!」マリーはすぐに玄関に走ると扉を開けたのだが、すでに精神のフィールドを離れたところまで伸ばす方法も彼女は会得していた。

 「まぁ、マリー!、、、あ!フランツさん、お帰りなさい。昨日は眠りこんでしまい申し訳ありませんでした」そう言ったアガーテは、今日の昼前に旦那と共に目が覚めて、一度マリーの家にあわてて謝りに来たのであった。

 そして、3人はアガーテが作った美味しいグラーシュパスタに舌鼓を打ったのであった。
 
......

 アガーテさんの片付けが終わり、彼女がサヨナラをして帰宅した後に、フランツはホットココアを作り、マリーにはミルクを多めにして居間に運んできた。

 「マリー、明日、まずラウラさんの...」フランツがそこまで言いかけたとき、再び、重い扉のドアノッカーが叩かれた。
 「まぁ!パパ!話したエルケさんよ!」マリーはまた玄関まで走って行った。
 フランツはマリーのその行動で、彼女の覚醒した魔法の能力の一部を理解した。

 玄関の扉が開かれると、そこにはメイド姿の若い女がひとり立っていた。

......

to be continued...

 
 
 
 

 
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