花の妖精フローラシリーズ 第二話 窓辺の花束 第1節~ 野に咲く花 その4 ~ [球体関節人形製作]
「あー、そこの瓶の花だけど、アンゲラが持ってきたのかい?」
「...ええ、今朝、来るときに海の見える丘の道の脇に咲いていて、綺麗だったから店に飾ろうと持ってきたの?、、、それが何か?」
「いや...綺麗な花だなーと思って...」
トーレの言葉にアンゲラは少し顔を赤らめた。
「花屋で売っている花は確かに形も整っていて綺麗だけど...」
アンゲラはモップを左肩にもたれさせて、両手の指先をちょっと絡めながらトーレを見た。
「野に咲く花も綺麗ですよね?」
「ああ、そうだね。何だか元気で、野性味があって、生き生きとしているね!」
トーレの言葉にアンゲラは少しだけ複雑な表情をしたが、すぐに微笑み元気に言葉を返した。
「野性味...そうですよね!野に咲く花ですものね」
「あ...そろそろ、行かないと。打合せに遅れたら失礼だからね」
トーレは厨房の入り口の上に取り付けられている古い柱時計を見て言った。
「...そうですね。いってらっしゃい!」
アンゲラは精一杯の笑顔でトーレを送り出した。
************
今は9時50分、約束の10時まで後10分だが、『カフェ・ライトール』に着いたトーレはその店構えを見て少し気後れしてしまった。
「うわー。やっぱり値段高そうだな...」
豪邸のように立派な不等辺三角形の大きな屋根を持った店で、海に面した側に張り出しているバルコニーも広く、全体が真っ白な塗装で統一されていた。
少しだけ金色があしらわれている大きなガラスのはまった入口のドアを開くと、とても上品なベルがカランカランと小さく鳴った。
「いらっしゃいませ」
真っ白なシャツに黒いスラックスと革靴で、左手に丸い銀のトレイと白いナプキンを抱えた若い男のフロア係が微笑とともにトーレを出迎えた。
「えー、あのー、10時にキャサリーンさんと待ち合わせているトーレといいます」
トーレはドギマギしながら言った。
「キャサリーン様から、その件は伺っています。それではご案内しますので、こちらへ」
トーレはフロア係の男に付いて行き、バルコニーの中で最も見晴らしの良い席に案内された。
「それでは、しばらくお待ちください」
そう言い残してフロア係の男は屋内の店の中に去っていった。
「...ええ、今朝、来るときに海の見える丘の道の脇に咲いていて、綺麗だったから店に飾ろうと持ってきたの?、、、それが何か?」
「いや...綺麗な花だなーと思って...」
トーレの言葉にアンゲラは少し顔を赤らめた。
「花屋で売っている花は確かに形も整っていて綺麗だけど...」
アンゲラはモップを左肩にもたれさせて、両手の指先をちょっと絡めながらトーレを見た。
「野に咲く花も綺麗ですよね?」
「ああ、そうだね。何だか元気で、野性味があって、生き生きとしているね!」
トーレの言葉にアンゲラは少しだけ複雑な表情をしたが、すぐに微笑み元気に言葉を返した。
「野性味...そうですよね!野に咲く花ですものね」
「あ...そろそろ、行かないと。打合せに遅れたら失礼だからね」
トーレは厨房の入り口の上に取り付けられている古い柱時計を見て言った。
「...そうですね。いってらっしゃい!」
アンゲラは精一杯の笑顔でトーレを送り出した。
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今は9時50分、約束の10時まで後10分だが、『カフェ・ライトール』に着いたトーレはその店構えを見て少し気後れしてしまった。
「うわー。やっぱり値段高そうだな...」
豪邸のように立派な不等辺三角形の大きな屋根を持った店で、海に面した側に張り出しているバルコニーも広く、全体が真っ白な塗装で統一されていた。
少しだけ金色があしらわれている大きなガラスのはまった入口のドアを開くと、とても上品なベルがカランカランと小さく鳴った。
「いらっしゃいませ」
真っ白なシャツに黒いスラックスと革靴で、左手に丸い銀のトレイと白いナプキンを抱えた若い男のフロア係が微笑とともにトーレを出迎えた。
「えー、あのー、10時にキャサリーンさんと待ち合わせているトーレといいます」
トーレはドギマギしながら言った。
「キャサリーン様から、その件は伺っています。それではご案内しますので、こちらへ」
トーレはフロア係の男に付いて行き、バルコニーの中で最も見晴らしの良い席に案内された。
「それでは、しばらくお待ちください」
そう言い残してフロア係の男は屋内の店の中に去っていった。
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