青い炎と人形の物語 第3章その3 [球体関節人形製作]
てぃねこ@ハニたろべネコです。
人形作りと、オリジナルの物語の部屋です。
「青い炎と人形の物語」の第3章の続きです。
それでは、どうぞ。
第3章 覚醒した魔法(その3)
「私、ママと一緒に〈背中を押す魔法〉を習ったの」マリーはつぶやくように言ったが、彼女の思考のベールによって、ソリの上でもその言葉は十分に聞き取れた。
エルケは少々驚いたが、黙ったまま、マリーの話の続きを待った。
「〈背中を押す魔法〉と反対の〈釣り上げの魔法〉は、まだ習っている途中だった。〈釣り上げの魔法〉は〈背中を押す魔法〉と同じように、頭から外に出て、ほかの人や物に移るという強い気持ちが必要なの」
マリーの説明に驚きながらもエルケは言った。
「なるほど、、、あの魔法の力は、あなたの力が大きかったのね?、、、ということは、ルイーゼ様だけでは、できない?」
「そう、二人の魔法の力がうまく合わないとできないの」マリーは答えた。
「じゃあ、リーゼ様とルイーゼ様は、しばらくは今のままなのね?」エルケは念を押すように尋ねた。
「うん、そうなる」マリーは力なくそう答え、目を伏せた。
それを見てエルケもそれ以上追及することはやめた。
マリーの家の前で別れるときにエルケは言った。
「マリー、リーゼ様は私たち狼人や魔女、鬼人の一族を救おうとしています」彼女は一度目を伏せてから続けた。
「ルイーゼ様も、その点は同じだったと聞いています、、、だから、マリーにもそうであって欲しいです」エルケは最後は哀願するように言った。
「うん、エルケさん、私も小さいときにママにそう教えてもらった」マリーはやや明るく言った。
「皆さんのことは秘密にしておくからね」
「ありがとう、マリー!さようなら」エルケはそう言い残すとソリと共に去って行った。
マリーはエルケのソリを手を振って見送っていたが、ひざまづいてセントバーナード犬のベルガーの鼻先にキスをした。
「ありがとうベルガー!ママを連れてきてくれて」
「なに、いつも遊んでくれるお礼さ。それじゃ、おやすみ」ベルガーはそう言うと自分の家の方角に去って行った。
「サミーもありがとう」マリーは黒猫のサミーを抱き上げて、その首筋に顔をうずめた。
「いやー、おいらもスージーを咥えて屋根に登って頑張ったよ」とサミー。
二人は静かに家の中に入って行った。
東の空がぼんやりと明るくなり、夜明けは、もうまもなくであった。
........
リーゼの館の2階の主人の部屋では、リーゼの両手、両足がロープでベッドの4隅にくくられて、口は舌を噛まないようにタオルケットでさるぐつわを咬まされていた。
「リーゼ様、いや、ルイーゼ様」ベッドの横の椅子に座っている狼人のダークは言った。
「何かあれば、どうぞ思考でお伝えください」
思考のベールを使ってベッドの上のリーゼ、いや今はルイーゼの女は答えた。
(今は何も、、、いえ、、、起きてきたわ、お姉さまが!、、、ダーク!見ていてちょうだい!)
(なっ、るっ、ルイーゼ!!おまえは、あああああっー!)リーゼの頭の中でリーゼが叫び、その恐ろしい声と表情は体にも現れた。
........
to be continued...
人形作りと、オリジナルの物語の部屋です。
「青い炎と人形の物語」の第3章の続きです。
それでは、どうぞ。
第3章 覚醒した魔法(その3)
「私、ママと一緒に〈背中を押す魔法〉を習ったの」マリーはつぶやくように言ったが、彼女の思考のベールによって、ソリの上でもその言葉は十分に聞き取れた。
エルケは少々驚いたが、黙ったまま、マリーの話の続きを待った。
「〈背中を押す魔法〉と反対の〈釣り上げの魔法〉は、まだ習っている途中だった。〈釣り上げの魔法〉は〈背中を押す魔法〉と同じように、頭から外に出て、ほかの人や物に移るという強い気持ちが必要なの」
マリーの説明に驚きながらもエルケは言った。
「なるほど、、、あの魔法の力は、あなたの力が大きかったのね?、、、ということは、ルイーゼ様だけでは、できない?」
「そう、二人の魔法の力がうまく合わないとできないの」マリーは答えた。
「じゃあ、リーゼ様とルイーゼ様は、しばらくは今のままなのね?」エルケは念を押すように尋ねた。
「うん、そうなる」マリーは力なくそう答え、目を伏せた。
それを見てエルケもそれ以上追及することはやめた。
マリーの家の前で別れるときにエルケは言った。
「マリー、リーゼ様は私たち狼人や魔女、鬼人の一族を救おうとしています」彼女は一度目を伏せてから続けた。
「ルイーゼ様も、その点は同じだったと聞いています、、、だから、マリーにもそうであって欲しいです」エルケは最後は哀願するように言った。
「うん、エルケさん、私も小さいときにママにそう教えてもらった」マリーはやや明るく言った。
「皆さんのことは秘密にしておくからね」
「ありがとう、マリー!さようなら」エルケはそう言い残すとソリと共に去って行った。
マリーはエルケのソリを手を振って見送っていたが、ひざまづいてセントバーナード犬のベルガーの鼻先にキスをした。
「ありがとうベルガー!ママを連れてきてくれて」
「なに、いつも遊んでくれるお礼さ。それじゃ、おやすみ」ベルガーはそう言うと自分の家の方角に去って行った。
「サミーもありがとう」マリーは黒猫のサミーを抱き上げて、その首筋に顔をうずめた。
「いやー、おいらもスージーを咥えて屋根に登って頑張ったよ」とサミー。
二人は静かに家の中に入って行った。
東の空がぼんやりと明るくなり、夜明けは、もうまもなくであった。
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リーゼの館の2階の主人の部屋では、リーゼの両手、両足がロープでベッドの4隅にくくられて、口は舌を噛まないようにタオルケットでさるぐつわを咬まされていた。
「リーゼ様、いや、ルイーゼ様」ベッドの横の椅子に座っている狼人のダークは言った。
「何かあれば、どうぞ思考でお伝えください」
思考のベールを使ってベッドの上のリーゼ、いや今はルイーゼの女は答えた。
(今は何も、、、いえ、、、起きてきたわ、お姉さまが!、、、ダーク!見ていてちょうだい!)
(なっ、るっ、ルイーゼ!!おまえは、あああああっー!)リーゼの頭の中でリーゼが叫び、その恐ろしい声と表情は体にも現れた。
........
to be continued...